パンタロンでのシュトゥッコのトーク全9回の内8回参加させていただきました。
ドナルド・ジャッドの展覧会カタログやFARMなど僕が魅かれるデザインはシュトゥッコによるものだったことを知りました。
秋山さんからは、ヘゲモニーに対する「反抗」の精神、知的誠実さを感じました。
構造主義とポスト構造主義を道具に使いながら権力から逃れようとする知性。
シュトゥッコOBの森さんは、ワコウ・ワークス・オブ・アートのアーティストのインタヴューの翻訳本をデザインしている方で、ドナルド・ジャッドの展覧会カタログも担当されていたことも知り、ポストミニマル特にロバート・スミッソンが好きとのこと、フェリックス・ゴンザレス=トレスのお手伝いもされていたとのこと、トレスを理解するうえで読んでおくべき本を教えていただきました。
シュトゥッコOBの木村さんが、ハンス・ウルリッヒ・オブリストのインタヴューVolume1の日本語版のデザインをされていることを知りました。僕は原書でゆっくり翻訳しながら読むほうが、行間が読め、考えることが多いので好きですが、この翻訳本も先日ネットで即買いしてしまいました。
秋山さんに、好きな建築家は誰ですかとお聞きしたところ、ツムトー(Peter Zumthor)とおっしゃっていました。実際に行かれたそうです。納得してしまいました。ツムトーが設計したプレゲンツ美術館とHatje Cantzから出ている美しくフォーマットされたarhiv kunst architekturシリーズも、ICC学芸員の畠中氏とのトークの内容の様に、レーベル買いをされているとのこと、僕も同じくそのシリーズを買っているので勝手に親近感を抱きました。
秋山さんから感じるヘゲモニーに対する「反抗」の精神、かつて大島さん(故 大島哲蔵さん)から感じたものを思い出しました。そう言えば、かつて滋賀近美で行われたドナルド・ジャッド展に大島さんに誘われてついて行った時にシュトゥッコによるカタログを買いました。大島さんが翻訳したドナルド・ジャッドの「建築」をギャラリーヤマグチさんから出版した頃だったと思います。

パンタロン シュトゥッコ展
http://www.pantaloon.org/schtucco.html

Donald Judd Selected works 1960-1991

Hans Ulrich Obrist interviews Volume.1(日本語版)