Picture of Architecture-Architecture of Picture
A Conversation between Jacques Herzog and Jeff Wall,moderated by Philip Ursprung

Jacques Herzog(ジャック・ヘルツォーク)
http://images.google.co.jp/images?q=Jacques+Herzog&svnum=10&um=1&hl=ja&lr=&inlang=ja&ie=UTF-8&oe=Shift_JIS&start=20&sa=N
Jeff Wall(ジェフ・ウォール)
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&inlang=ja&ie=UTF-8&oe=Shift_JIS&q=Jeff+Wall&lr=&um=1&sa=N&tab=wi

P.47
Herzog:他のものよりもこの特別なピクチャー(画像)においてより表現されている意味をあなたが見る方法について述べてもらえませんか?私はそれをこの男が縫製労働者に鋭く叫び立てているとても表現的な方法として見るが、私にはそれと「Mimic(物まね、模造)」(図 P.37)の様な作品の身振りのインパクトとの間には違いがない。

Wall:あなたはおそらく正しい。私は私がその表現力として見ているものは身振りの言語のそしてその最高潮に達する瞬間や、その状況について何か基本的なあるいは本質的なものを明らかにする様に思われる瞬間である様に思われるものの身振りを捉まえることの強度の中にあると思う。それは他のピクチャーでも本質的に違わないが、それは私には、幾らかの、まして多くの、他のものよりもさらにその身振りの作品すべてを採っている様に思われる。

Herzog:あなたは意味を排除しようとしているのですか?見る人が単純に十分にピクチャーを経験するというあなたのアイデア(考え)を私は確かに理解できる。しかしあなたはコンテント(内容、意味)を無視することはできないし、それはおそらく抽象絵画あるいはミニマル・アートの中でそのように行われたために失敗したのを考慮しても、それはともかくあなたの目的ではないだろう。意味に関してあなたが追求する戦略あるいは概念は何ですか?あなたの作品の幾つか、「Restoration(回復、復活、再生)」(図 P.38,39)あるいは「Dead Troops Talk(全滅した軍隊の話し)(1986年冬のアフガニスタン、Moqor近くの赤軍偵察の待伏せの後の光景)」(図 P.40,41)は、同じピクチャーの中にある様々なシーンの同時に起こり同等の価値のあるプレゼンス(存在、現前性)が「不可能な空間性」、見る人に後ろに退かせたり前に進ませたり異なった距離からそのピクチャーを見させる一種の不連続性(断絶)を伝達する反転したパースペクティブ(遠近法)のビザンティンの伝統の少しを私に思い出させる。見る人がそれ自身の周りを動かなければならないという事実はただ一つの意味への焦点を制限することを防ぎ、ある機会の要素を加える。

P.48
Wall:偶然性や偶発性は写真をエキサイティング(刺激的)にするものだ。写真の如何なる美もこの偶然性の概念を含み、だから勿論、あるセンス(意味、感覚)では、いわゆる過度にデザインされた(もくろまれた)写真はあまり写真的でないと見なされるだろう。私はこの過度にデザインされた(もくろまれた)写真で実験してきたし、それが「あまり写真的でない」とは思わない・・・。

Herzog:・・・それはより映画的だ。

Wall:そう、おそらくより映画的であり写真の慣例的なセンス(意味、感覚)ではあまり写真的でないだろう。ポイントはあなたが興味を持っている多様な要素が大抵は偶然を通して、機会を通して生み出されるということだ。フレームの中に置かれる如何なるシーンも要素の偶然的な組み合わせを含んでいるということは魅惑的だ。この部屋この瞬間ここで、あるオブジェクト(もの、客体)が机の上に偶然置かれている。それらは私達のここでのミーティングには必要のないものであり、それらのものがここにあるような要求もない、それらは要求されていない。だからそういう風に、それらは偶然に存在している。もし私がここでこの午後に私達を写真におさめなければならないのであれば、これらのオブジェクトはそのピクチャーの中で偶然の要素になるだろう。要素の殆どすべての組み合わせは幾らか偶然的である。

→意味を剥奪し感覚を開くことは、ロラン・バルトやマレーヴィチを思い出させる。作品に対して見る人を動かせるというのはリチャード・セラを思い出させる。コールハースも空間をエキサイティングにするために偶然性や偶発性を持ち込む、既存のルールを過剰作動させ、その信仰の欺瞞性を暴きながら。(井戸)

Roland Barthes(ロラン・バルト)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%88
Kazimir Malevich(カジミール・マレーヴィチ)
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&ie=UTF-8&oe=Shift_JIS&q=Kazimir+Malevich&lr=&um=1&sa=N&tab=wi
Richard Serra(リチャード・セラ)
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&ie=UTF-8&q=Richard+Serra&lr=&oe=Shift_JIS&um=1&sa=N&tab=wi
Rem Koolhaas(レム・コールハース)
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