Peter Zumthor Atmospheres
Architectural Environments・Surrounding Objects
Birkhauser

Peter Zumthor(ペーター・ツムトール、日本ではピーター・ズントーが一般的)
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&ie=Shift_JIS&q=Peter+Zumthor&lr=&oe=Shift_JIS&um=1&sa=N&tab=wi
YouTube(Peter Zumthor)
http://jp.youtube.com/results?search_query=Peter+Zumthor&search=%E6%A4%9C%E7%B4%A2

P.27
Peter Zumthor:そして何か他のものもまたある。マテリアルの間には批評的な近接があり、それはマテリアルのタイプ(型)とその重さに依拠している。あなたはある建物の中で異なったマテリアルを混合することができ、それらが反応するにはお互いに離れ過ぎているとあなたがわかるだろうあるポイントがあり、それらが共に近過ぎるポイントもまたあり、それはそれらを殺してしまう。それはある建物の中でものを寄せ集める(組み立てる)ことは多くのことを扱わなければならないということを意味し・・・よろしい、あなたは私が言いたいことを知っている!いいや、さもなくば私はこれについてあと30分も話し続けることになるだろう。そう、なぜなら私は例を持っているからだ。私は〈パラーディオ〉について書き留めたばかりで、そこで、私はこの種のことを見つけ、何度もそれを見てきた。特にパラーディオの中にあなたが見つけるあの大気のような(美的な雰囲気のある)エネルギーである。そして私はそれでもやはりそれについてまさに言及するつもりだ、なぜなら一人の建築家として、一人のマスター・ビルダー(名建築家)として、彼はマテリアルのプレゼンス(存在、現前性)と重さの並外れたセンス(感覚)を持っていたという感覚(印象)を私はいつも持っていたからで、事実私が話そうとしているのはまさにそのことだ。

Andrea Palladio(アンドレーア・パッラーディオ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%83%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA

P.28
THermal Baths Vals,Peter Zumthor
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&q=THermal%20Baths%20Vals%2CPeter%20Zumthor&rlz=1B7GGLL_jaJP393JP393&um=1&ie=UTF-8&source=og&sa=N&tab=wi

P.29
Peter Zumthor:第3番目に、〈空間の音〉である。聞いてみたまえ!内部空間は、音を集めながら、増幅し、何処か他の場所へ伝達している、大きな楽器の様だ。それは各々の部屋に特有な形と関係があり、それらの部屋が内に含んでいるマテリアルの表面と関係があり、それらのマテリアルが適用された方法と関係がある。ヴァイオリンの表面の様な素晴らしい小奇麗な(スプルース、トウヒ、米松、アメリカツガの)床を取って、それを木の向こう側へ置いてください。あるいは再び、それをコンクリートの床に貼ってください。あなたは音の違いに気付きますか?勿論。しかしあいにく多くの人々は部屋が作る音に気付いていない。音は私達が部屋とともに連想するものである。つまり個人的に話すと、私の心にいつも最初に浮かぶものは、私が少年だったころの音であり、私の母がキッチンでたてていたノイズ(雑音)である。それらの音は私を幸せに感じさせた。もし私がフロントルーム(表側の部屋、リビングルーム)にいたら、私はいつも私の母が家にいることがわかった、なぜなら私は母が深鍋や平鍋などで音をたてているのを聞くことができたからだ。しかし、またいくつもの音があり、大きなホールの中、つまり鉄道のターミナルの大きな室内のノイズ(雑音)や、あるいは町中などであなたはいくつもの音を聞く。

P.30
Swiss Sound Box
http://www.google.co.jp/images?q=Swiss+Sound+Box&hl=ja&rlz=1B7GGLL_jaJP393JP393&prmd=i&source=lnms&tbs=isch:1&ei=TAG9TOCiDJOjcZaDzLcN&sa=X&oi=mode_link&ct=mode&ved=0CBEQ_AU

P.31
Peter Zumthor:しかしもし私達がそれをさらに前進させ、(たとえもしそれが現在において少し神秘主義的になろうとも)、そしてある建物から全ての慣れない(他者の)音を引き出すことを想像するならば、そしてもし私達がそれがどのようになるかを想像しようとするならば、つまり、残されたものは何もなく、そこには他の何かに触れるものは何もない状態。問いが生じる、つまり、その建物はまだ音を持っているのか?自分でそれを十分に挑戦して下さい。私は各々のものが一種のトーン(音、音色、音調)を発すると思う。それらは摩擦によって引き起こされない音を持っている。それらが何なのか私にはわからない。おそらくそれは風か何かだろう。

Martin Heidegger(マルティン・ハイデガー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AC%E3%83%BC