「Natural History」
P.65
色の透明性では、本当の黒を得ることはとても難しい。ただ相対的な黒を得るだけだ。なぜならイメージを通してやってくる光があるからだ。この写真は本当の黒が必要だった。私は1年のサイクルの中でまさに底で写真を撮ることがより興味深いと考えた。つるが切り落とされ、収穫後で、地表が濡れ、全てがとても暗く、まるで、来年のブドウがまだ存在しないが、木々や湿気や暗さのなかにどのようにかして隠れているように。すべての葉が無くなったときブドウ園、列、つるの統制の厳格さが見られる。
私は雨がやんだ瞬間に興味を抱いた。8×10の大判カメラでネガを使い1日20カットで70~80カット撮った。
P.66
(カルフォルニアのシナゴーグの撮影にて)
私は神聖な建物の表面に世俗的な建物が反射しているのを撮りたかった。まるで二つの構造の間に関係があるように。
→反射で思い出すのは年末にCASOで行われていたPhotographic展での大島成己さんの作品。(井戸)
私は8×10のフィルムをカバーするのに十分な大きさのイメージを投影しない小さなレンズを使った。それでビネット(輪郭をぼかした写真)が創られた。最後にイメージを見たとき、(黒い)サークルが無いよりあるほうがより美しいと考えた。偶然の連続がその写真を導いた。
P.67
この(黒い)サークルはレンズの物理的な限界を意味する。つまりそれはイメージをつくるときいつも何か見えないものがあるということを提示している。私は建築(ほかの何でも)がどのようなものなのかを完全に理解する方法は現実の空間では写真という方法ではあり得ないと感じたので、表現の限界の感覚を創り出したかった。
ジェフ・ウォール
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大島成己
http://images.google.co.jp/images?svnum=10&hl=ja&inlang=ja&lr=&ie=Shift_JIS&q=%91%E5%93%87%90%AC%8C%C8&btnG=Google+%8C%9F%8D%F5