Picture of Architecture-Architecture of Picture
A Conversation between Jacques Herzog and Jeff Wall,moderated by Philip Ursprung

P.27
Wall:私は「ゲニウス・ロキ」、場所の特別な精神の考えが好きではない。私はすべての場所で人々が彼らにとって貴重なまさに特別な場所に住んでいることを感じて、彼らは世界中がいかにそこが特別なのかを知られるようにと心配しているという考えが好きではない。これらすべてにいくらかの真実があることは否定はしない。
不可避的にあなたはあなた自身の場所に接している。もしそれが個人としてあなたに個人的に価値があるものであれば別に構わないことだ。しかし、アートの価値としてはそれは良いとは私は考えない。
私は「ローカル」の概念が嫌いだ。それは地方根性と田舎の権力構造を意味する。
私は私達にとって特別ではないものに正確に価値を与える必要があるということを強調したい。そういう意味では、私達は「部外者」に対するローカル・カルト(地方崇拝)をつくり出す傾向でなくなってきている。私は、いかなる都市も他の場所よりも特別な場所として提示したくはない。

Herzog:それはアートが成し遂げれる何かだ。アートは「特別ではない」他の言葉で言えば、一般的な(普通の)正当さ(妥当性)の何かの考えを表現することができる。

→ジャック・ヘルツォークは、ジェフ・ウォールと同じく「ゲニウス・ロキ」(地霊)的考えとは距離をとっている(むしろ反対な)のは明らかであるが、ジャッドの影響を考えるとウォールとの相違点はおそらくスペシフィック(特異)な質を作品に持ち込もうとするかしないかということかな?もちろんいまここでウォールが議論しているスペシフィックとは地域性であり、ヘルツォーグが建築でしているスペシフィックは地域性という意味ではなくその建築、あるいはその場所の特異性であるのだが・・・。しかしジャッドのスペシフィックの僕なりの解釈でいうと、「特別ではない」普通の妥当さを表現している時点で、それはその(ジャッドが言わんとしている)スペシフィックさ(特異性)をまとっており、ヘルツォーグと通じていると感じる。(井戸)

genius loci(ゲニウス・ロキ)
http://en.wikipedia.org/wiki/Genius_loci
Hilberseimer(ルートヴィヒ・ヒルベルザイマー)
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&inlang=ja&ie=Shift_JIS&resnum=0&q=Hilberseimer&oe=Shift_JIS&um=1&sa=N&tab=wi
http://en.wikipedia.org/wiki/Ludwig_Hilberseimer
Le Corbusier(ル・コルビュジエ)
http://images.google.co.jp/images?hl=ja&inlang=ja&ie=Shift_JIS&oe=Shift_JIS&q=Le+Corbusier&lr=&um=1&sa=N&tab=wi
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%93%E3%83%A5%E3%82%B8%E3%82%A8