Picture of Architecture-Architecture of Picture
A Conversation between Jacques Herzog and Jeff Wall,moderated by Philip Ursprung

Jacques Herzog(ジャック・ヘルツォーク)
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Jeff Wall(ジェフ・ウォール)
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P.48
Wall:時々私は街路の角に立ち(これは写真家のゲームである)、その角の周りに来ている次の人がどのように見えようとしているのか予想しようとしている。あなたはたぶん決して言い当てられないだろうし、その予期しなさがそのメディウム(媒体)の基本である。だからもしあなたがなんとかしてその起こったことを、どんな技術を使っても、技巧(工夫、術策)を通してあるいは技巧(工夫、術策)の不足を通してそれにするのであれば、それはマルチプル(複合、多様)なシェイプ(形)や、色の組み合わせや、偶然的なフィギュレーション(形体付与)や、偶然性の他のしるしを生じさせるだろう。これらのものすべては本質的に相容れない。それらは、プッサンあるいはセザンヌの絵画が調和的でありうるというセンス(感覚、意味)で、調和的でない。写真は、あなたがコンポジション(構成)によってそれを押しつけなければ、そういう調和は持たない。

Herzog:それが勿論写真においてと同様に人生(生活)において極端に重要であるとはいえ、私があなたのピクチャー(写真)を見た時私は偶然的なものを考えたことがない。

Nicolas Poussin(ニコラ・プッサン)
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Paul Cézanne(ポール・セザンヌ)
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P.49
Herzog:おそらくそれはあなたの見る人に無意識的にアピールするものであり、偶然(機会)のこの側面である。偶然(機会)、あるいはむしろ予期しないものに開かれていること、あるいは異なった種類の変化はまた建築や私が前に話していた中国での都市プロジェクトにおける私達の目的である。
調和あるいは重複決定は建築ばかりでなくアートにも同様にあてはまる問題である。言った様に、それはビザンチン様式のアーティスト達が彼らのピクチャー(絵画)の前で見る人を実際に動かさせ、スペシフィックな(特定の)焦点に釘付けにすることを避けるためにパースペクティブ(遠近法)を歪ませた魅惑的な方法だ。後に、ドラクロワあるいはティントレットの様な画家(あなたもまたあなたの作品の中で彼らを参照してきた)は、スケール(縮尺)のセンス(感覚、意味)の様に、異なった方法を使いながら同じ効果を創造しようとした。あなたはこの偶然性の要因あるいは彼らの作品の中に何か写真的なものを見ていますか?

Wall:ルネッサンス以来西洋絵画の素晴らしい質の一つはそのスケール(縮尺)のセンス(感覚、意味)であり、そのスケール(縮尺)は私達の身体や私達がそのピクチャーを見る部屋と関係付けられていると思うと私は何度も言ってきた。スケール(縮尺)は私達が私達自身の可動性やアートの作品の私達の経験でのその役割を実感するのを助けてくれる。そういう可動性には素晴らしい喜びがある。素晴らしいバロック様式やポスト・バロック様式のアートは、それを異なった距離で見る為にあなたに後ろや前に動きたくさせるスケール(縮尺)とオーダー(状態、秩序)のこの素晴らしい組み合わせを持っている。それは直ちにピクチャーを見る単一の方法はないということを提案(暗示)する。

Herzog:見る人に現実の異なったレベルと様々な距離でのスケール(縮尺)を差し出す戦略は、同じように建築のメディウム(媒体)にあてはめられる。私達が、その当時、コンセプチュアル・アートとミニマル・アートの影響下にあり、ラウフェンのリコラ社倉庫の建物を建てた時、私達はそのアイデア(考え)で取り組んだ(図 P.44)。あなたがその建物にとても近づいて動いていくとき、ファサードのイメージはばらばらにこわれる、つまりあなたはただ単一の構成要素を見るだけで、ただつまらないねじや板材を見るだけだ。それは私達には重要なステップであり、一種のマテリアリティー(物質性)とそれ自身の現実性をそれにまとわせながら、その建物のサーフェス(表面)を見る新しい方法だった。私は、同じ様に、サーフェス(表面)はあなたの作品では主な関心事ではないと思う。

Eugène Delacroix(ウジェーヌ・ドラクロワ)
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Jacopo Tintoretto(ヤコポ・ティントレット)
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Ricola storage building in Laufen(ラウフェンのリコラ社倉庫)
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