パンタロンに前田季実子展 34°42’40.87″N 135°29’35.83″Eを見に行ってきました。
作家さんもおられてお話を聞くことができました。
日常にある目に見えないものを可視化するということ。今回は重力、磁力(地軸の向き)、緯度経度、光のスペクトルを視覚化(体験できるものに)するということだそうです。
感想として、作家さんに僕が言ったことは、重力と緯度経度を示すことは出発点は同じでも着地点が違う、結果として作品(記号)が発する意味が違ってくると思う。緯度経度は「人間」が作った制度であり、もともと自然に存在するものではないものであり、作品がその制度へのアイロニーとしても作用しだす。しかしパンタロンのHPにある、空間の中に浮ぶドットの中を鑑賞者が進むことができる作品「react space」は、人間の軌跡を視覚化するということだということをお聞きすると、その視覚化に近代の形而上学的な物差しであるユークリッド幾何学としてのグリッドを使用しているのは、今回の緯度経度の作品と同じだと思い、そのあたりを明確に分けることは作家さんの中ではそんなに重要ではないんだと変に納得してしまった。
ドゥルーズにしたがって、作品が記号、兆候として鑑賞者に解釈を発動させるものであれば、その解釈が多様に発生するというのも一つの作品の「強度」である。それはヘルツォーク(HHerzog & de Meuron)が建築で重要だというアンビギュイティー(曖昧性、両義性)とも繋がってくる。(井戸)
前田季実子展 34°42’40.87″N 135°29’35.83″E パンタロンhttp://www.pantaloon.org/exhi_maeda.html