H&deMのビルクハウザーのコンプリートワークスの写真は、そういう日常(完成後に生活を送る人々が映り込んでいること)ではないが、素材としての写真、物質としての写真、オブジェクトと光の写真、製作過程の写真(ここで職人や施主や関係者が写り込む)が、ライトボックス上に並べられたマウントポジの様に紙面にレイアウトされキャプションが付けられる。写真のサイズ(スケッチや図面のサイズもそろえられる)も35ミリのプロポーションが中心だ。基本は1ページに縦4列横2列見開き16パネルのグリッドをベースとしたレイアウトで、各ページはそのグリッドの変形ですべて構成されている。よく見ると広角のレンズなので周辺部は歪んでいる写真もあるが、そこは気にしていないのか、トリミングもしないまま併置されている。